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癌性痛
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癌性痛

  • 痛みを減らすために私たちができること

    痛みを減らすために私たちができること

    近年、痛みに関する考え方が変わりつつあり、動物の痛みを我慢させずに、
    積極的に痛み止めを使ってほしいと希望される飼い主さんが多くなりました。

    痛いというと、キャンキャン鳴くということを想像しますが、実際には震える、
    落ち着きがない、立ったまま座りたがらない、排尿をしないなど、
    様々な行動の変化があります。
    動物を痛みから助けるには、動物をよく観察し、痛みの程度を
    よく知ってあげることが大切です。
    私たちは、積極的に痛み止めを使用し、快適な生活が送れるよう
    取り組んでおります。

  • ペインコントロール(疼痛管理について)

    痛みの管理とひとくちにいっても、痛みには様々な種類があり、それぞれに対して多くの薬剤や管理方法があります。
    現在は、痛みを感じる前に痛みを止める「先制鎮痛」と、作用の異なる痛み止めを組み合わせる「バランス鎮痛」を
    主軸として治療を行っています。

骨肉腫の治療中/骨肉腫でヒジが変形
  • がんの痛みの管理

  • がんの痛みの管理は、根治ではなくQOL(生命の質)の向上が最大の目的です。

    鎮痛剤で安心した様子

    がんの痛みを「癌性痛」または「癌性疼痛」といい、痛みの程度が強く、
    慢性痛の中でもコントロールが難しいものです。
    ヒトの医療でさえ70~90%の抑制を目標としています。

    がんという根本的な病気があり、がんの進行に伴って痛みも強く
    なってくるので、残念ながら全く痛みを感じなくなることは困難です。
    しかし、様々な鎮痛薬や、抗がん剤などによって大きな痛みを取り除き、
    QOL(クオリティーオブライフ)を向上させることができます。

    最期の時まで楽しい時間を…

  • がんの痛みを和らげる薬

  • がんの痛みを和らげる薬

    癌性痛の管理としては、鎮痛薬を中心として、いろいろな薬を使用する
    「バランス鎮痛」を行います。

    多くの薬を使うことで、痛覚のポイントをいくつも遮断し、鎮痛の相乗効果が
    期待できます。

  • 鎮痛薬

     鎮痛薬には、いわゆる「痛み止め」といわれる消炎鎮痛薬と、モルヒネなどのような麻薬性鎮痛薬があります。
     麻薬といっても、性格の変化や依存性が出るわけではありません。
     投与方法も様々で、それぞれの特徴があります。

注射薬     すぐに効果があり、飲めないときにも有効です。

        点滴で投与することも可能です。

 

経口薬     自宅で簡単に投与することができます。

        種類が豊富で、錠剤や粉、徐放剤もあります。

        数種類の薬の組み合わせが可能です。

 

坐 薬     薬が飲めなくなったときに使用します。

        吸収が早いので、すぐに効いて欲しいときには有効です。

 

パッチ     皮膚に貼るタイプの痛み止め。

        皮膚から吸収し、ゆっくり効いてきて、3~5日間持続します。

        やや高価なのが残念です。

  • 抗がん剤

     「抗がん剤」と聞くと、「怖い」「副作用が強い」「高そう」など、いろいろ不安があると思います。
     確かに、副作用を含め、十分な説明を受けて理解した上で選択すべき薬です。
     多くの場合、がんと闘うために使用しますが、癌性痛の管理では、がんの進行を抑えることによって
     痛みの進行を抑えるために使います。
     抗がん剤の種類・使用量を調節して使えば、優れた鎮痛効果があります。

  • 骨吸収抑制剤

     「骨吸収抑制剤」は、骨のがんや骨に転移したがん、がんによっておこるカルシウム血症の治療に用いられる薬です。
     がんによる骨の融解をおさえたり、がんが拡がらないようにして痛みを和らげます。
     3~4週間隔で、点滴にて使用します。高価なことが難点です。

  • ブロック麻酔薬

     痛みのある場所の周囲や、そこにつながっている神経に鎮痛薬や局所麻酔薬を注射する方法。
     乳がんのような広範囲の摘出手術や、足にできたがんの断脚手術などでは、非常に強い痛みを伴うので、
     局所に注入したり、腰骨の硬膜外にモルヒネなどを注入します。
     ヒトに比べて、効果の持続時間が短いことが難点です。

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